Muzeum Zamkowe w Malborku

積雪した雪が溶け始め、最高気温が0 ℃を上回るようになり、暖かくなってきたなと感じる。感覚が完全に麻痺している。宿舎の屋根から雪塊が落ちてくることに注意を払わなければならないこともまた、北国生活の一環としては一興だろう。ここからさらに北に向かえば、一体どうなるのか。ポーランドでの留学を終えたあとにドイツに向かうことをDanielに告げると、Malbork城を見ておくといいと言われたこともあり、そんな素朴な疑問に解答を見つけるべく、北の大地、Malbork地方へ遠征に向かうことにした。
Krakòwの時の同様に、PKP Intercityから高速鉄道を予約したところ、Warsaw中央駅からMalborkまではおよそ2時間かかるようだ。早朝から乗車したので、乗車券の確認後に軽食としてクロワッサンを苦戦しながらも注文した。というのも、クロワッサンの発音は存外難しい。音だけで言えば「クワソン」に近く、日本語的な感覚では伝わらない可能性が高い。「ロ」は一体どこに消えた。とは言っても無事に注文することはできた。ブルーベリージャムとの相性が想像以上に良かった。本を読みながら時折車窓から景色を眺めていたが、どこまでも白銀の世界が広がっていた。野生のキツネが走っているところも目撃することができた。今回、旅のお供にしたのは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(Philip K. Dick著、浅倉久志訳、早川書房)。映画「ブレードランナー」の原作。まだ話の核まで辿り着けてないので、感想を述べられないのが残念だが、多くの小説が現代社会の問題と関連づけて風刺していたりするので面白い。Malbork駅に到着すると、外気は殊更に冷たかったが、駅舎はとても貫禄のある立派な建物だった。
駅からMalbork城まで徒歩でおそよ30分を要した。Malbork城は「マルボルクのドイツ騎士団の城」として1997年に世界文化遺産に登録された建築群(お城や教会)である。その歴史はドイツのチュートン騎士団の拠点として13世紀から始まった(Danielが勧めた理由もここにあるようだ)。人の手によって建てられた煉瓦造りの建築物で、その規模は世界一とされる。堅強な城として「欧州最強の巨城」として称えられていた。Malborkという地名も「聖母マリアの城」という意味らしい。その所有がドイツやポーランド王朝など様々な形で移り変わっていることからも、両国にとって重要な建物だと思われる。残念ながら第二次世界大戦時に、爆撃によってそのほとんどが損壊したものの(当時の写真は凄惨さを物語っており、入場門にある木製の壁は戦火を耐え抜いた生々しい状況を残していた。)、戦後、ポーランドに所有権が移り、国を挙げて修繕がなされ、今もなお続いているようだ。
今回、初めてAudio Guideなるものを試してみた。もちろん、日本語の音声ガイドはなかったので英語にした。言ってる内容はニュアンスで大体理解できたものの、正直に言うと聞いたことがない専門的な単語も多かったので少し困惑した。しかしながら、いい経験になったと前向きに捉えたい。
城の外壁や、教会内部の建築様式はプラハ城をはじめ、これまでに見てきたものとはまた違った味わいがあった。荘厳・壮麗で、どこか無骨で、でもどこか繊細で、なんだか城が経験してきた様々な歴史を再現しているかのようだった。東京ドーム4個が収まる敷地を有することから、とにかく広い。音声ガイドに従い、約3時間かけて鑑賞することができた。
帰りの電車では、Warsawに近づいたあたりで電車が急停車し、何事かと思えば、車掌さんがポーランド語で何やらアナウンスをし始めた。前席に座っていたお客さんが交通アクシデントだと教えてくれ、復旧に1時間ほどかかるから、急ぐなら乗り換えたほうがいいと。早く帰りたかったので、一度降りて交通手段を確認するも、その駅からだと乗り換えできる電車もなかった。タクシーは使いたくなかったので、結局、車内で待つほかなさそうだった。車掌さんにあらためて復旧にどれくらいかかるのか?と尋ねると、「約1時間です。」とのこと(この時点で19時)。少し絶望したが、外気に晒されながら震えるより幾分マシかと考え、指定席に戻ると、ものの10分くらいで電車が動き始めて驚いた。車内のほとんどの人が降車していたから、その人たちは頑張って別の手段で帰ったろうに。ただただ運が良かっただけなのかもしれないが、無事に帰ることができた。これも海外で経験できる一種の醍醐味なのかもしれない。