Muzeum Narodowe w Warszawie

1月が風のように通り過ぎて、2月になってしまった。しかし今週はお天気が良い。非常に良い。太陽も生き生きと輝いてる。一方で、最高気温が−10℃というのは一体どういうことなのか。最低気温に至っては−20℃近くまで落ち込んでいる。実体感温度もそのくらいなので、未体験の領域だ。もはや冷凍庫ではないか。寒すぎやしないか。ワルシャワに到着した頃の寒さはまだ可愛いものだった模様。MarcinやLukasによると、ポーランドでこの寒さを体験できるのは実に20年ぶりくらいらしい。なんてタイミングで来たものやら。
この時期になると日本の大学では、卒論・修論がいよいよ大詰めとなってくる。データの量に関わらず、結果をまとめて形にするのは教員となった今でも苦労する作業の一つである。学生諸氏には、1年もしくは2~3年、一生懸命向き合った研究テーマに対して、種々の関連した客観的データを調査し、それらと得られた結果を統合し、自分の言葉で研究の興味深さや課題についてまとめて発表してもらいたいと切に願う。今年度は留学のために直接擦り合わせできないことが多少悔やまれるが、自身が納得のいく発表ができたと、自信を持って言えるようになることを遠い欧州の地から祈る。
先週の日曜日は、ポーランド系ユダヤ人歴史博物館(Museum of the History of Polish Jews)を訪れた。建物は非常に新しく、建築様式も現代的でおしゃれだった。入場する前に、空港以来の身体検査を受けることになった。博物館では中々珍しい対応だと感じた。一方で入場券の確認はされなかった。そういうものなのかな。
ユダヤ人(Jews)に対する認識が深いわけではないものの、それでも当時の彼らが学問や工業、芸術などの分野において、非常に豊かな文化を有していたことは明瞭だった。しかしながら近代の欧州大陸で行われていた迫害もまた事実で、人種・性別・年齢に対して行われた差別やラベリング、移民問題、厳しい情報規制、そして戦時下の悲惨な環境など、展示や資料から向き合うこととなった。今月はクラクフに再度行こうと思うので、アウシュビッツ収容所跡地にも足を運んでみたい。
今日は快晴の寒い中、ポーランド国立美術館(National Museum in Warsaw)へ。交通アプリで"National Museum"で行き先を検索するとなぜか国立科学文化宮殿がヒットしてしまい、ワルシャワ中央駅で降りてしまった。せっかくなので記念に宮殿前で写真を撮っておいた。国立美術館はそこから割と近いところにあったので、散歩がてら歩いて向かうことにした。
先週と同様に、ここでも入場券の確認はされなかった。(後から気づくが、日曜日は無料で公開している部分とそうでないところがあったようだ。)また、これまでの欧州滞在で気づいたことだが、今回のような博物館などの公共施設では、上着やスカーフなどは基本的にクロークに預けるのが一般的であるらしい。ワルシャワでもプラハでも、貴重品の関係から預けるのを躊躇い、自分で持ち運んでいたのだが、今回は係員の方にクロークに預けてくださいと注意された。考えてみれば、コート類の中に何か隠しているかもしれないし、展示物に触れてしまってもいけないので当然と言えば当然の処置か。
建物は3階建てで、1階は"Faras Gallery", "Gallery of Ancient Art", "Gallery of Medieval Art"をメインとする展示だった。Faras Galleryではファラスの遺跡から発掘された古代エジプトのキリスト教壁画に関する資料や古代の美術品などを閲覧することができた。欧州で唯一、この類の資料を展示しているようだ。時代が時代だけに、当時の人類が文化をこれほどまでに高度に発展させ、しかもそれらの技術を後世に残していた事実に思いを馳せずにはいられなかった。紀元前というはるか昔から。
2階は"Gallery of 19th Century Art", "Gallery of Polish Art", "Temporary Exhibitions"が展示されており、特に近代19世紀美術の油絵の展示は壮大だった。前回のMucha美術館の件でも少し述べたが、高校在学時に美術を専攻していたため、油絵は好きだ。館内で最も大きい絵画である"The Battle of Grunward (Jan Matejko (1878))"は釘付けになるには十分過ぎるほど立派なものだった。個人的に特に気に入ったのは、Józef Mehoffer作の"Strange Garden (1903)"。その他にもたくさんの油絵が配置されていたが、どうやら、人物だけの肖像画よりも風景画に惹かれる傾向があることが初めてわかった。油絵の魅力は塗料を重ねて厚みを出せることだと認識しているが、この技法を用いて、「光」の濃淡を演出している作品に目を奪われていた。絵画との距離で印象が変わるのも油絵の魅力と言っていいだろう。
3階は"Gallery of Old Masters"となっていて、精巧を尽くした美術品、王族関係のものやガラス細工、箪笥や扇子なども展示されていた。プラハで見た天文時計に似た時計などもあった。そういえば、ポーランドは陶器が有名らしいので、お土産にいくつか購入して持ち帰りたいところだ。